Vol.72 建物のコンバージョン-ますます期待が高まる建物の用途転換について-
平成26年12月1日
1.はじめに
近年、都心部において、設備の老朽化等によりテナント確保が難しくなるオフィスビルが見受けられるようになりました。こうしたオフィスビルでは、設備の改良や更新等によりテナント需要を高める努力が求められ、場合によっては建替え等を検討することにもなります。
一方で、こうしたオフィスビルを、住宅やSOHO、シニアハウス等にコンバージョン(用途転換)して、物件の市場価値を高めるような動きも盛んになってきています。建物の有効活用と共に、地域の活性化に繋がることも期待されます。また、建物を取壊すことがないため、産業廃棄物を発生させることにもならず、環境保全にも繋がることになります。
今回は、このようなオフィスビル等のコンバージョンに関して、コンバージョンの典型を紹介するとともに、コンバージョンを実施するにあたって留意すべき事項を取り上げ、不動産鑑定士の役割についてもまとめます。