Vol.24 サブプライムローン問題と不動産証券化
平成20年9月1日
アメリカの住宅ローン証券化(セキュリタイゼーション)によって火がついた証券化の波は、昨今、日本でも激しさを増していることはすでに周知のことであります。証券化は「間接金融」から「直接金融」への転換とも言え、世界経済の潮流となっています。
しかし昨年から、証券化に重大な問題が発生しました。アメリカの「サブプライムローン問題」です。サブプライムローンは、低所得者向け住宅ローンとして、米国内に巨大市場が存在します。2007年夏頃、これに大量の延滞が発生し、サブプライムローンを組み込んだ証券化商品が暴落し、アメリカの大手投資銀行やメガバンクは巨額の損失処理を迫られ、その影響で日本の金融機関も損失計上を余儀なくされた他、モノライン問題に派生し、金融市場は混乱、世界経済への影響は今も継続しています。
今回は、一連の問題の発端となった「サブプライムローン問題」の構造と証券化との関係について検証します。